ブログ · 2026年9月8日 · 7 分で読めます
AIでできることと、できないこと:境目を見極める3つの視点
AIは万能でも無力でもありません。実際に役立つ場面、苦手な場面、そして今日から試せる3つの例で、境目を具体的に見ていきます。
国内企業が実際にどこまで使えているかは、経済産業省やIPAの調査のほうが、話題性よりも実態に近い姿を示します。AIについての話は両極端になりがちです。何でもできると持ち上げるか、たいして役に立たないと切り捨てるか。実際の境目はその中間にあり、しかも作業の種類によってはっきり分かれています。
AIが役に立つこと
- 要約:長い資料やメールのやり取りを、要点だけに絞る。
- アイデア出し:企画のたたき台や、切り口の候補を複数出す。採用するかどうかは自分で判断する前提で使う。
- 言い換え・校正:硬すぎる文章をやわらかくしたり、逆に社外向けに整えたりする。
- 下訳:外国語の文章のおおまかな意味をつかむ。正式な文書に使う前には、必ず人が確認する前提で。
AIが苦手なこと
- 事実の正確さの保証:もっともらしい数字や引用元を作り出すことがあり、しかも間違っている場合とまったく同じ自信度で答えます。
- 最新の出来事:学習データの時点より後に起きたことは、正確に答えられないか、知らないことを認めずに答えてしまうことがあります。
- 責任を伴う判断:誰かの人事評価や取引の可否など、結果に責任を持つ必要がある判断をAI任せにするのは向いていません。
- 自社固有の細かい事情:社内にしかない事情や過去の経緯は、教えない限りAIは知りません。
実際に試せる3つの例
- 硬い言い回しの文章を一つ選び、「社外向けに、もう少しやわらかい言い方にしてください」と頼んでみる。
- 進めたい企画について、「切り口を5つ、それぞれ一文で」と頼み、自分で良し悪しを判断する。
- 英語の短い文章を一つ選び、大まかな意味をつかむために訳してもらい、重要な部分だけ辞書でも確認してみる。
できる・できないの境目を見極めるコツ
目安は一つです。すでにある情報を別の形に変える作業か、それとも新しい事実や判断をゼロから生み出す作業か。前者はAIが得意な領域で、後者は人が最後まで責任を持つべき領域です。AIの使い方で触れた3つの場面(要約・下書き・整理)も、すべて前者に当てはまります。
情報を整える作業はAIに任せられます。何が正しいかを決める作業は、最後まで自分の仕事です。この線引きは[OECDのAI原則](https://www.oecd.org/en/topics/artificial-intelligence.html)が示す「人が責任を持つ範囲」とほぼ重なります。
これらのモデルの能力がどこまで伸びているかは、Stanford HAIが毎年のAI Indexで追跡しています。日本国内での活用状況の広がりについては、総務省の情報通信白書が継続的に公表しています。境目は年々動いていますが、責任の所在という原則は変わりません。
日本語ならではの頼み方の工夫はChatGPTの使い方(日本語)にまとめてあります。
月曜日に試すこと
- 今抱えている作業を一つ選び、情報を整える作業か、新しく判断する作業かに分けてみる。
- 前者であれば、上の3つの例のどれかに近い形でAIに頼んでみる。
- 返ってきた内容を、事実の部分だけ元の情報と照らし合わせる。
- 後者(判断が必要な部分)は、AIの案を参考にしつつ、決定は自分で行う。
この境目を実際の仕事で見極める練習は、Coursiumのスマホ向け短いレッスンでもできます。AIの一歩先へ、始めてみてください。詳しくはCoursiumについて。