ChatGPTの使い方(日本語):曖昧な答えになる3つの原因と直し方
日本語でChatGPTに頼むと答えがぼやけがちなのには理由があります。よくあるつまずきと3つのコツ、メール返信を例にした具体例をまとめます。
ChatGPTは日本語でも問題なく答えてくれますが、英語向けの頼み方をそのまま日本語に当てはめると、答えがぼやけやすくなります。原因はモデルの性能というより、日本語という言語の特徴と、頼み方が噛み合っていないことがほとんどです。日本国内での利用率そのものは情報通信白書が国際比較つきで公表しています。
日本語プロンプトでよくあるつまずき
- 主語が抜けている:日本語は主語を省略しても通じる言語なので、「まとめてください」だけでは誰の立場でまとめるのかが伝わらず、当たり障りのない答えになります。
- 文体を指定していない:敬語で書くのか、カジュアルでよいのかを決めていないと、社内向けの文章が急に丁寧すぎたり、逆に取引先向けの文章がくだけすぎたりします。
- 「いい感じに」で済ませている:長さや形式を指定しないと、AIがちょうどよいと判断した形が返ってきますが、それは求めていた形とは限りません。
直すための3つのコツ
- 立場と相手をはっきりさせる:「私は営業担当で、取引先の担当者に送るメールです」のように、誰が誰に向けて書くのかを最初に伝える。
- 文体を指定する:「です・ます調で」「かなり丁寧に」「社内向けなので簡潔に」など、望む文体を言葉にする。
- 欲しい形と元の情報を渡す:見出しの数、箇条書きか文章か、そして元になる情報そのものを一緒に渡す。情報がなければ、AIはもっともらしい一般論で埋めることになる。
具体例:メール返信を頼む
こうした業務文書の書き方が仕事の中でどれくらいの比重を占めるかは、厚生労働省の統計からも見えてきます。悪い例:「取引先からのクレームメールに返信して」。これだけでは、誰の立場で、どんな内容のクレームで、どんな対応をするのかが分からないため、返ってくるのはどの会社でも使えそうな定型文です。
良い例:「私は製造業のカスタマーサポート担当です。取引先から、納品した部品に一部不良があったという連絡が来ました。まず謝罪し、代替品を来週中に発送すること、原因を調査中であることを伝える返信メールを、です・ます調で、簡潔に書いてください。」渡す情報が増えるほど、直す手間が減ります。同じ「目的・条件・形式」の頼み方は、Muse Sparkのプロンプト例でMeta AI向けにも紹介しています。
出力を確認するときに見るポイント
日本語の出力で特に注意したいのは、内容の正しさだけではありません。文体が指定と合っているか、敬語のレベルが場面に合っているか、そして直訳のような不自然な言い回しが混ざっていないかも確認します。こうした確認の手順はIPAの資料でも、業務でAIを使う際の基本として繰り返し示されています。内容自体が自信満々に、しかし間違って書かれていることもあるため、数字や固有名詞、日付は必ず元の情報と照らし合わせてください。
文章として滑らかに読めることと、内容が正しいことは別の話です。滑らかさは確認のきっかけにはなりません。
これはAIの使い方で触れた「出力を鵜呑みにしない」という原則の、日本語プロンプトならではの続きにあたります。
こうしたモデルの元になる学習データや評価の広がりについては、Stanford HAIが毎年まとめています。国内企業でのデジタル人材の状況は、経済産業省が継続的に調査・公表しています。
そもそも日本語に限らず、AIが得意な作業と苦手な作業の境目についてはAIでできることで整理しています。出力の確認をAIチェッカーに任せきりにできない理由はAIチェッカーとはで詳しく扱っています。複数の情報源を調べさせる場合の同じ確認の原則はディープAI(Deep Research)とはで扱っています。こうした頼み方を独学ではなく研修で身につけたい場合は、AIセミナーで良いセミナーの見分け方を整理しています。ChatGPT以外の選択肢と比べたい場合は、Muse SparkとChatGPTの比較にまとめています。文章ではなく写真を渡して内容を読み取らせる場合の同じ確認の原則は、ChatGPTの画像認識で扱っています。表を渡して集計や数式を頼む場合の同じ確認の原則は、ChatGPT Excel活用法で扱っています。質問と回答以外の使い方、たとえば難しい会話の練習相手にする方法は、ChatGPT面白い使い方にまとめています。ファイルの読み込みや画像生成、音声モードなど、文章のやり取り以外の機能全体を一覧にしたものはChatGPTでできることにまとめています。
月曜日に試すこと
- 普段AIに頼んでいる一つの作業を選び、立場・相手・文体を最初の一文で伝えてみる。
- 元になる情報(メールの本文、メモ、資料の抜粋)を必ず一緒に渡す。
- 返ってきた文章を、内容だけでなく文体と敬語のレベルもあわせて確認する。
- うまくいった頼み方は書き留めておき、次回は最初から使う。
返ってきた文章を声で確認したい場合は、ChatGPT読み上げで、耳で気づけることと目でしか気づけないことの違いを扱っています。多言語モデルではなく日本語専用の国産モデルが必要になる場合については日本語AIで扱っています。出力をクライアントへの納品物や自社サービスに使う場合に確認すべき規約やデータの扱いはChatGPT商用利用で扱っています。キーボードではなく声で指示を出す場合の誤変換の確認手順はChatGPT音声入力で扱っています。言い回しより先に、何を聞くか自体で迷う場合は、ChatGPT質問の仕方が場面別の具体例をまとめています。
こうした具体的な頼み方は、Coursiumのスマホ向け短いレッスンでも練習できます。AIの一歩先へ、実際の仕事に近い例から始めてみてください。詳しくはCoursiumについて。