ブログ · 2026年10月19日 · 7 分で読めます

AIの作り方:自分専用アシスタントの設定で十分な理由

「AIの作り方」で多くの人が本当に必要なのは、モデルの開発ではなく既存のAIに指示を設定することです。入力例と完成例、練習問題つきで手順を示します。

目的を決める。指示を書く。結果で直す。

「AIの作り方」という検索には、実は2つの違う質問が混ざっています。1つは「AIというモデルをどう開発するか」という技術的な質問。もう1つは「自分の仕事に合わせてAIをどう使えるようにするか」という質問です。仕事でAIを作りたいと考えている人のほとんどは、実際には後者を探しています。そしてこちらは、プログラミングも専門知識も要りません。

モデルを開発する作り方は、データを集め、学習させ、評価するという別の専門分野です。この記事が扱うのは、すでにあるAIに自分の指示と例を設定して、自分専用のアシスタントとして使えるようにする方法です。

「作る」が実際に意味すること

  • 役割を決めます。「あなたは週次報告の下書きを作る担当です」のように、何をする係かを一文で伝えます。
  • 守ってほしい形式を決めます。見出しの数、文体、含めるべき項目など、毎回同じ形で返してほしい部分を先に指示します。
  • 良い例を1つ渡します。ゼロから説明するより、実際の入力例とその完成例を見せたほうが、意図が正確に伝わります。

入力例から完成例まで

弱い指示:「週報を作るAIを作って」。これだけでは、どの情報を使うか、どんな形式で返すかが決まっておらず、毎回違う結果になります。

具体的な指示:「あなたは週次報告の下書き担当です。今後、今週やったこと・進行中のこと・困っていることのメモを渡します。それぞれを3行以内の箇条書きにまとめ、数字や固有名詞は私が渡した通りに書いてください。推測で数字を補わないでください。」こう設定したうえで実際のメモを渡すと、毎回同じ形式の下書きが返ってきます。足りない情報を勝手に埋めずに聞き返すよう付け加えておくと、推測による間違いも減ります。

試して直す手順

  1. 繰り返し発生する小さな作業を1つ選びます。毎週・毎日のように頻度が高いものほど設定の効果が大きくなります。
  2. 役割・形式・良い例をまとめて1回だけ指示します。
  3. 実際のデータを渡して、結果を元の情報と照らし合わせます。
  4. ずれていた部分を指示に追加して、もう一度試します。1回で完璧な指示はほとんどなく、2〜3回の調整で安定します。

ツールの制約

この方法には3つの制約があります。1つめは、設定した指示の質がそのまま結果の質になることです。曖昧な指示からは曖昧な結果しか返りません。2つめは、間違いが自動的に直らないことです。1度ずれた結果を見ても、指示を自分で直さない限り同じずれが繰り返されます。3つめは、個人情報や社外秘の情報を渡す場合、その情報がどう扱われるかを確認する必要があることです。確認すべき点はAIエージェントと個人情報で扱っています。

この設定は、複数の作業を自動で順番に進めるAIエージェントとは別物です。1つの作業について毎回同じ型で答えてもらう設定であり、複数ステップを自分の判断で進めるものではありません。両者の違いと、エージェントで確認しながら進める手順はAIエージェントとはで詳しく扱っています。

職場での広がりと確認の重要性

生成AIを業務で使う企業の広がりは総務省の情報通信白書が公表しています。こうした自分専用の設定をどこまで業務に組み込めるかについては経済産業省の資料でも整理が進んでいます。モデルの進化の速さはStanford AI Indexが毎年追跡していますが、指示が曖昧なときに自信を持って間違った形式で返す傾向は、モデルが新しくなっても簡単には消えません。

個人情報を渡す設定にする場合は特に注意が必要です。個人情報保護委員会は生成AIサービスの利用に関する注意喚起を出しています。曖昧な指示ではなく具体的な指示を書く力は、PwC AI Jobs Barometerが約10億件の求人データから見出した、賃金に差がつく力の一つでもあります。

自分で試す練習

  1. 自分が週に2回以上繰り返している作業を1つ書き出します。
  2. その作業の役割・形式・良い例を一文ずつまとめます。
  3. 実際のデータで1回試し、ずれた部分を指示に追加します。
  4. 2回目の結果が1回目より近づいているかを確認します。

単純な繰り返し作業で判断がほとんど要らない場合は、エージェントよりAI業務自動化で扱うRPAや自動化ツールのほうが向いていることもあります。設定したアシスタントに文章データの分析や要約を任せる場合、引用を確認する考え方はAI分析ツールで扱っています。ChatGPTが内部でどう動いているかを理解しておくと指示の書き方も変わるため、ChatGPTの仕組みも参考になります。

この、曖昧な指示を具体的な指示に直す力こそCoursiumがスマホの短いレッスンで練習できるようにしています。AIの一歩先へ、実際の仕事に近い練習から始めてみてください。詳しくはCoursiumについて。

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