Block Dessaは日本で使える?音声AIの中身と利用条件
Blockが2026年10月23日に発表した音声AI「Dessa」。日本で使えるのか、何ができるのか、未確認の点は何かを整理します。
先に結論です。Dessaは日本では使えません。アメリカでも一般の人はまだ使えません。SquareやCash Appを運営するBlockが2026年10月23日に発表した音声AIで、今のところ使えるのはAIの安全性を研究する少人数の研究者だけです。それ以外の人はウェイトリストに登録できるだけで、アプリも料金も公開日もありません。
この記事はBlockの発表ページと、その後の報道だけを根拠にしています。私たちはモデルを試しておらず、第三者による検証もまだ見つかっていません。
Dessaとは何か
Dessaは「speech-to-speech」、つまり音声から音声へ直接つなぐモデルです。Block自身は「audio in, audio out」とまとめています。今の音声アシスタントの多くは3段階で動きます。話した声を文字に起こし、その文字に言語モデルが答え、答えを合成音声で読み上げる。Dessaは文字の段階を省き、音を聞いて音を返します。
もう一つの特徴は「全二重(full-duplex)」であることです。電話で話す人のように、聞きながら同時に話せます。Blockによると、どこで話に割って入るか、どこで「うんうん」と相づちを打つかも学習したそうです。全二重の音声モデル自体は研究としては新しくなく、2026年1月にarXivで公開されたPersonaPlexもその一例です。Blockが新しいと言っているのは、学習のやり方のほうです。
Blockが説明していること
- 学習データ:人間の会話音声だけでゼロから学習。文字データも、事前学習済みのモデルも使っていないとしています。
- データ量:大規模言語モデルより「hundreds of times fewer words」、つまり数百分の一の語数で学んだと説明しています。具体的な数字はありません。
- ハードウェア:学習はNVIDIA GB200 NVL72が1台だけ。推論はM4 Max以上のMacBook Proでローカルに動き、実時間より速いとしています。
- 表現:感情、皮肉、笑い、ため息を聞き取り、自分でも出せるとしています。
開発したのはBlock社内の小さな研究チームで、率いるのはRagavan Thurairatnam氏です。同氏はX上で発表とデモ音声を公開しています。Unite.AIの記事によると、このチームはトロントの深層学習スタートアップDessaの元メンバーが立ち上げたもので、モデル名もそこから来ています。チームはジャック・ドーシー氏に直接報告する体制だそうです。
日本でDessaは使えるか
- 一般の利用者:使えません。Blockのページでウェイトリストに登録はできますが、いつ、どういう基準で順番が来るのかは書かれていません。
- 研究者:早期アクセスを申請できます。必要なのは名前と、大学・企業・研究機関のメールアドレスです。Blockは対象を「少人数」としています。
- 手元のMac:まだ使えません。ローカルで動くというのはモデルの性質の説明で、ダウンロードできるわけではありません。モデルの重みも公開されていません。
- 国ごとの制限:Blockは何も書いていません。そもそも一般公開がどこの国でも始まっていないので、日本で使えるかという問題自体がまだ生まれていません。
日本語には対応しているのでしょうか。Blockは対応言語を一つも挙げていないので、わかりません。ウェイトリストに登録する前に、Blockが2026年10月21日付のプライバシー通知を掲げていることも知っておくとよいでしょう。音声ツールに録音を渡す前に何を確かめるべきかは、Falcon ASRの安全性とデモに送った音声の行き先で同じ観点から整理しています。
まだ確かめられていないこと
性能についての説明は、今のところすべてBlock自身によるものです。技術論文も、公開された重みも、ベンチマーク結果もありません。デモはライブ録音とされていますが、どう選ばれたのかは誰も説明していません。
Gizmodoの記事は、Dessaがあてっこゲームで2回続けて一発で正解し、その後も勝ったことに気づかず当て続ける場面を紹介しています。別のデモでは、野菜の収穫で疲れたと話すキャラクターが、続けて生まれたばかりの息子の話を始めます。自然な声と筋の通った中身は別の能力です。声が人間らしいほど、中身の間違いには気づきにくくなります。AIの答えを判定する道具に頼りすぎない方法はAIチェッカーとはでも触れています。
なぜ安全性の研究者から始めるのか
Blockは、声に込められた感情を聞き取れない音声AIは「potentially dangerous」だと書き、音声だけのモデルを「new territory」と呼んでいます。そのうえで、自社が想定していないリスクを外部の研究者に見つけてほしいとしています。
わかりやすいリスクは、リアルな音声AIすべてに共通するものです。相手が機械だと気づけなくなることです。声を作る側の注意点はAI音声:ナレーションを作る前に確認することで扱っています。Blockは、透かしや本人同意の録音のような仕組みをDessaについてまだ説明していません。それは「ない」という意味ではなく、今の時点で文書になっていないという意味です。
今、代わりに使えるもの
仕事のやり方は今週何も変わりません。今使える音声ツールは3段階方式のままで、使いこなすための習慣もそのまま通用します。The Vergeも同じspeech-to-speechの仕組みを紹介していますが、現時点のDessaは研究の発表であって製品ではありません。
- 話した内容を文字にするなら:ChatGPT音声入力:誤変換を送信前に確認する手順。
- リアルタイムの顔と声が日本で使えるかは:Gemini Live Avatarは日本で使えるか。
- AIに作業を任せるなら:Claude Duetの安全性で、エージェントに任せる前の確認点を整理しています。
Coursiumは、仕事でのAIの使い方を学べるスマホアプリです。Dessaのような新しいモデルはこれからも次々に発表され、その多くは触れるようになるずっと前に話題になります。発表を読み、主張と根拠を分け、ツールがデータをどう扱うかを確かめる。この習慣はどのモデルにも通用します。それを練習したい方はCoursiumをご覧ください。
よくある質問
Block Dessaは日本で使えますか?
使えません。日本以外でも一般公開はされていません。Blockは2026年10月23日にDessaを発表し、早期アクセスをAIの安全性を研究する少人数の研究者に限っています。それ以外の人はウェイトリストに登録できます。
Dessaとは何ですか?
Blockが開発した全二重のspeech-to-speechモデルです。音声を受け取り、文字を介さずに音声で返します。Blockによると、人間の会話の録音だけで学習しています。
Dessaは日本語に対応していますか?
わかりません。Blockは対応言語を公表していません。
DessaはMacで動きますか?
Blockによると、M4 Max以上のMacBook Proでローカルに動きます。ただし重みやダウンロードはまだ公開されていません。