ブログ · 2026年10月28日 · 7 分で読めます

動画生成AI:仕事で使う動画を作る前に確認する3点

動画生成AIで社内向けの説明動画を作るとき、文字崩れ・事実の誤り・AI生成である表示の3点を公開前に確認する必要があります。プロンプト例と手順をまとめます。

目的を一文で。長さを決める。公開前に確認。

動画生成AIで仕事用の動画を作るとき、一番つまずきやすいのは出来上がった動画をそのまま公開してしまうことです。文字が入った画面では日本語の文字が崩れやすく、数字や固有名詞は実際の資料と違うことがあります。プロンプトを工夫する前に、公開前に何を確認するかを先に決めておくと、作業全体が早くなります。

動画を作る前に決めること

  • 誰に何を伝える動画かを一文で決めます。「新機能の紹介」ではなく「既存ユーザーに新機能Xの使い方を30秒で伝える」のように具体的にします。
  • 長さを先に決めます。ツールによって生成できる長さの上限が違うため、長い動画は複数のクリップに分けて作る前提で考えます。
  • 画面に文字を入れるかどうかを決めます。文字入りの指示は崩れやすいため、文字なしで作って後から編集ソフトで重ねる方法も検討します。

プロンプトから公開までの手順

  1. 場面・動き・長さ・雰囲気を具体的な一文にしたプロンプトを書きます。
  2. 最初の1本は短く生成して、意図した動きになっているかを確認します。
  3. 画面内に文字や数字が入っている場合、実際の資料と一致しているかを一文字ずつ確認します。
  4. 生成した動画がAIによるものだと分かる表示(クレジットや注記)を入れるかどうかを決めます。
  5. 社内の確認者に見せてから、社外向けに公開するかを判断します。

具体例

弱いプロンプト:「新機能を紹介する動画を作って」。これだけでは画面の構成も長さも定まらず、意図と違う動画になりがちです。

強いプロンプト:「オフィスでノートパソコンを使う人物が新機能の画面を操作する様子を、15秒、明るい雰囲気で。画面に文字は入れない」。文字を入れないと指定することで、崩れやすい日本語の文字表示を避け、後から編集ソフトで正確な文字を重ねられます。

確認が特に必要な理由

AI生成コンテンツに目印を付ける技術として、GoogleはSynthIDという仕組みを公開しています。ただし、すべてのツールがこの仕組みを使っているわけではないため、生成した動画がAIによるものだと分かるようにするかどうかは、使うツールの仕様を確認した上で自分で判断する必要があります。OECDは、AIが生成した内容を人が確認する工程を、責任あるAI活用の省略できない一部だとしています。もっともらしく見える結果と実際に正しい結果の差は、Stanford AI Indexが複数年にわたって追跡しています。

仕事で使う場合、動画の中に実在する人物に似せた映像や、社外秘の資料画面を映さないよう注意が必要です。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用にあたって個人情報の取り扱いに注意するよう注意喚起を出しています。社会全体でのAI活用の広がりは総務省の情報通信白書で確認できます。

月曜日に試すこと

  1. 今週中に必要な15秒程度の短い動画を一つ選びます。
  2. 場面・動き・長さ・雰囲気を一文にしたプロンプトを書きます。
  3. 生成した動画の中の文字や数字を、実際の資料と一文字ずつ比べます。
  4. 社内の確認者に見せてから、公開するかを判断します。

手元のパソコンだけで動画生成AIを動かす方法については動画生成AIをローカルで動かすで試作品を例にまとめています。社内動画のBGMを選ぶ際の確認点はAI音楽、ナレーションを作る場合はAI音声で扱っています。静止画を動かす場合の確認すべき崩れ方は写真を動かすAIにまとめています。イラストや画像の生成から始めたい場合はAIイラスト生成が仕事で使える1枚にするための頼み方を扱っています。

プロンプトを具体的に書き、公開前に確認するという、ここで説明した動作は、Coursiumがスマートフォンの短いレッスンで練習できる内容です。AIに後れを取らないために 実際の作業に近い例で練習できます。詳しくは Coursiumについて をご覧ください。