写真をAIでイラスト化:確認する3点と手順
写真をAIでイラスト化する機能は、変換の強さによって別人に見えるかどうかが変わります。使う場面別の選び方と、確認する3点をまとめます。
写真をAIでイラスト化する機能は、1枚の実際の写真を素材にして、その構図や特徴を保ったまま絵のような見た目に変換します。文章から新しい画像を作る生成とは違い、元になる写真が1枚あることが前提です。詳しくない人ほど「イラスト風のフィルター」程度に考えますが、変換の強さを上げるほど元の顔立ちから離れていき、どこまで強くするかで用途ごとの向き不向きが変わります。
どんな場面で使うか
- 社内資料やプレゼン資料に使う人物アイコンを、素顔のまま使いたくないとき。
- 個人ブログやSNSのヘッダー画像を、実写よりやわらかい見た目にしたいとき。
- 複数人が写った写真を社外に出す前に、全員の顔をイラスト化して個人が特定されにくくしたいとき。
向いていないのは、社員証や履歴書用の写真のように、実際の見た目を正確に伝える必要がある用途です。変換の強さを上げたイラストは、実物と見比べたときの差が大きくなりやすく、本人確認の目的には使えません。
変換の強さは選べる
ほとんどのツールには、弱い変換(線を少し整える程度)から強い変換(アニメ調に近づける)まで段階があります。強くするほど元の写真の情報は失われ、眼鏡や特徴的な髪型が消えることもあります。社内資料のように「誰だか分かる」ことが大事な用途では弱めの変換を選び、個人が特定されにくくしたい用途では強めの変換を選ぶ、という逆の基準になる点を先に決めておくと選びやすくなります。
作る前に確認する3点
- 自分以外の人が写っている場合は、イラスト化してアップロードする前に本人の同意を得る。
- アップロード先のプライバシーポリシーで、写真がどう保存・利用されるかを確認する。
- 変換の強さを決める前に、用途が「誰だか分かる必要がある」か「分かりにくくしたい」かをはっきりさせる。
具体例
弱いやり方:社内の自己紹介資料に使う顔写真を、一番強いアニメ調の設定でそのまま変換する。結果は見た目が整っているが、同僚が見ても一瞬誰か分からない仕上がりになり、資料の目的(自己紹介)を果たせない。
良いやり方:同じ写真を弱めの変換設定で試し、線を整える程度に留める。生成された候補を元の写真と見比べて、眼鏡や髪型など自分だと分かる特徴が保たれているかを確認してから資料に使う。SNSのヘッダー用など、分かりにくさを優先したい別の写真では、強めの変換を別途試す。
イラスト化は見た目を整えるだけの作業ではありません。用途によっては、わざと分かりにくくすることが目的にもなります。先に決めるべきはどちらを狙うかです。
データの扱いで見ておくこと
顔写真のような個人情報を生成AIサービスに渡す際の注意点は、個人情報保護委員会が具体的な確認ポイントとともに注意喚起しています。他人の顔写真を本人の同意なくアップロードすることは、イラスト化がどれだけ加工されていても避けるべき使い方です。生成された結果を人が確認してから使うという原則は、OECDのAI原則にも明記されています。
こうした画像生成モデルの精度がどれだけ改善しているかは、Stanford HAIのAI Indexが毎年測定しています。見た目の自然さと、用途に合っているかどうかは別の問題であり、精度が上がっても後者の確認は自分の目で行う必要があります。
国内での広がり
国内での生成AI画像サービスへの関心の高まりは、総務省の情報通信白書が国際比較を含めて毎年公表しています。企業のデジタル人材育成の実態は、IPA(情報処理推進機構)がDX白書として継続調査しており、経済産業省も企業でのAI活用の広がりを扱っています。こうした確認の手間を惜しまない力に労働市場がどう報いているかは、PwC AI Jobs Barometerが世界の求人データから示しています。
月曜日に試すこと
- 用途が「誰だか分かる必要がある」か「分かりにくくしたい」かを先に決める。
- 自分以外が写っている場合は、アップロード前に本人の同意を得る。
- 弱い設定と強い設定の両方を試し、元の写真と見比べて特徴が保たれているかを確認する。
- アップロード先のプライバシーポリシーで、写真の保存・利用方法を確認する。
背景の除去や物の除去など、写真を別の方向で加工する場合の段階と確認点は画像編集AIにまとめています。複数枚のセルフィーからアバターを作る場合の確認点はSNOW AIアバターで、仕事用のアイコンとして使う場合の基準はAIアバター、仕事用の確認点で扱っています。文章から新しくイラストを作る場合、無料で試す前に確認すべき点はAIイラスト無料で作る前に確認する3点にまとめています。
こうした「用途に合っているか確認する」「同意を確認してから進める」という判断は、Coursiumがスマホの短いレッスンで練習できるようにしています。AIの一歩先へ、実際の仕事に近い練習から始めてみてください。詳しくはCoursiumについて。