要素を積み上げる。除外は言い換えで。欲張りすぎない。
ブログ · 2026年9月13日 · 8 分で読めます

AIイラストのプロンプトの書き方:要素を積み上げて狙った1枚に近づける

AIイラストのプロンプトは、思いつきの一文ではなく決まった要素の積み重ねです。要素の種類、ツールによる違い、具体例と気をつけたい点をまとめます。

AIイラストの結果が思ったのと違うとき、原因の多くはツールの性能ではなく、プロンプトが一文で終わっていることです。「かわいいロボットのイラストを作って」のような一行の頼み方では、AIには手がかりがほとんどありません。実際に結果を左右するのは、決まったいくつかの要素を順番に積み上げることです。ここでは、その要素の種類と組み立て方を扱います。

プロンプトを組み立てる6つの要素

  • 主題:何を、いくつ、どんな姿勢や表情で描くか。ここだけは省略できません。
  • 画風・タッチ:フラットデザイン、水彩風、線画、厚塗りなど、参考にしたい絵柄。
  • 構図・アングル:バストアップか全身か、正面か俯瞰か、中心に何を置くか。
  • 光:順光か逆光か、柔らかい光か強い光か。立体感や雰囲気を大きく左右します。
  • 色調・パレット:具体的な色の指定。「カラフルに」だけでは狙った印象になりません。
  • 雰囲気・ムード:一つの言葉で十分です。複数の相反する雰囲気を重ねると、結果がぼやけます。

除外したい要素の指定はツールによって違う

Stable Diffusionには、除外したい要素を別欄に書ける「ネガティブプロンプト」機能があります。一方、ChatGPTの画像生成やMidjourneyでは事情が異なります。特にChatGPTのような対話型のツールに「象を消して」と否定形で頼むと、内部で処理される際にかえって「象」という言葉が強調され、象が残ってしまうことがあります。除外したい場合は「落ち着いた配色で」のように、望む状態を肯定形で言い直すほうが確実です。Midjourneyには専用のパラメータがありますが、こちらも除外の指定より、欲しいものを言葉にするほうが安定します。

具体例:社内エンジニアチームのロボットマスコットを作る

弱いプロンプト:「かわいいロボットのマスコットを作って」。毎回スタイルも色も違う結果が返ってきて、社内資料やSlackアイコンにそのまま使える一枚にはなかなかたどり着けません。

要素を積み上げたプロンプト:「丸みのある小型ロボット、優しい目で笑いながら片手を挙げて挨拶しているポーズ。フラットデザイン、太めの輪郭線のミニマルなイラストスタイル。正面向き全身、単色背景、中央構図。ベースカラーは青系、差し色にオレンジを一点だけ。硬質な金属感やSF的な威圧感は避け、柔らかいマット質感で。フレンドリーで親しみやすい雰囲気。正方形の比率で。」主題・画風・構図・色・雰囲気を順番に積み上げただけで、社内アイコンとして実際に使える具体性に近づきます。

気をつけたいこと

  • 要素を詰め込みすぎると逆効果です。目安は5〜6個程度まで。「暗い夜のシーン」と「明るい日差し」のように矛盾する指定を同時に入れると、結果がどっちつかずになります。
  • 特定の実在するイラストレーターの名前を挙げて「その画風で」と頼むのは避けたほうが安全です。作風の権利をめぐる問題につながる可能性があります。
  • 画像内に正確な文字を入れることは、プロンプトをどれだけ工夫してもまだ不安定です。文字が必要な場合は、後から別途入れることを前提にしておきます。
  • 特定のカラーコード(色の数値指定)をそのまま反映させることも、現時点では確実ではありません。狙った色に近いかどうかは、生成後に自分の目で確認します。

日本語だけで書いても通じますが、写実的なスタイルを狙う場合は英語で書いたほうが細部が安定しやすい傾向があります。逆にアニメ風のイラストは、日本語のプロンプトでも十分な結果が出やすいというツールごとの違いもあります。

この確認する姿勢は、生成AI全般に共通する考え方で、OECDのAI原則も、生成された結果を人が確認する責任を明記しています。画像生成モデルの性能がどこまで伸びているかは、Stanford HAIが毎年のAI Indexで測定していますが、性能が上がっても、要素を具体的に積み上げるという基本は変わりません。

国内でのこうした画像生成ツールの利用状況は、総務省の情報通信白書が毎年、国際比較を含めて公表しています。企業でのデジタル活用や資料作成の効率化については、経済産業省IPA(情報処理推進機構)が継続的に調査しています。

月曜日に試すこと

  1. 作りたいイラストを一つ決め、主題・画風・構図・色・雰囲気の5つを箇条書きで書き出す。
  2. その箇条書きをそのままプロンプトとして組み立てて生成する。
  3. 除外したい要素があれば、否定形ではなく欲しい状態の言葉に言い換える。
  4. 文字や特定の色を正確に入れたい部分は、生成後に自分で確認・修正する前提で進める。

組み立てたプロンプトから実際に何枚か生成し、資料に使える1枚まで絞り込んで公開前に確認する手順は、AIイラスト生成で詳しく扱っています。同じ「具体的に頼む」という考え方は文章にも当てはまり、AIの使い方で議事録を例に説明しています。コードを頼む場合の同じ考え方はAIコーディングで、画像から情報を探す逆方向の使い方はAI画像検索で扱っています。組み立てたプロンプトをチラシのテンプレートに応用する場合はチラシ作成をAIでで扱っています。

こうした「要素を具体的に積み上げて頼む」という力は、Coursiumがスマホの短いレッスンで練習できるようにしています。AIの一歩先へ、実際の作業に近い練習から始めてみてください。詳しくはCoursiumについて

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