ChatGPTとBingの違い:最新情報を調べるときの使い分け
ChatGPTとBingは検索への対応が違います。情報源のリンクが出るかどうかを軸に、作業例と照合の手順でまとめます。
「ChatGPTとBing」という検索の裏にも、「マイクロソフトとChatGPT」と同じような混同があります。ChatGPTはOpenAIが提供する対話サービスで、BingはマイクロソフトのWeb検索エンジンに組み込まれたAIチャット機能です。この二つの一番の違いは賢さではなく、「答えと一緒に情報源へのリンクが出るかどうか」です。Bingは検索エンジンの仕組みの上にあるため、答えの根拠となったページへのリンクが基本的に表示されます。ChatGPTは主に学習済みの知識から答えるため、同じ質問でもリンクが出ないことがあります。
どちらを使うか、先に決める基準
- 直近の出来事や、昨日今日の数字を知りたいときは、リンク付きで答えが返ってくるBingのほうが、元のページをすぐ確認できます。
- 一般的な説明や、文章の下書き、アイデア出しのような作業は、ChatGPTのほうが対話として扱いやすいことが多いです。
- 同じ質問をどちらにも投げて、答えの違いそのものを比べる使い方も、片方を鵜呑みにするより安全です。
- どちらの答えも、情報源へのリンクが出ていてもいなくても、実際にページを開いて確認するまでは「未確認の下書き」として扱います。
作業の流れ:最新情報を確認してから使う
- 調べたい内容が「最近の出来事」か「一般的な知識」かを、質問する前に自分で判断します。
- 最近の出来事なら、情報源のリンクが出る前提でBingに質問し、出てきたリンクを控えます。
- ChatGPTを使う場合は、検索機能が有効になっているかどうかをまず確認し、有効でなければ一般知識からの答えだと前提して扱います。
- 答えに含まれる日付・数字・固有名詞を、実際にリンク先のページを開いて一つずつ照合します。リンクが出ていない答えは、同じ内容を扱う別の情報源を自分で探して照合します。
実例
弱い依頼:「今週発表された新しいAIモデルを教えて」とだけ聞く。結果は、Bingならリンク付きの答えが返ってきますが、リンクを開かずに本文だけ読むと、発表日やモデル名が微妙にずれていても気づきません。ChatGPTの場合、検索機能が無効だと、実際にはまだ発表されていない内容を学習済みの知識から推測して答えることがあります。
具体的な依頼:「今週発表された新しいAIモデルを、情報源のリンク付きで教えて」とBingに聞き、出てきたリンクを開いて発表日とモデル名を一次情報と照合する。ChatGPTで同じ作業をする場合は、検索機能を有効にした上で同じ質問をし、リンクが表示されたら同じように照合します。どちらの場合も、リンクを開いて一次情報を確認するところまでが作業の一部です。
リンクが出ることと、リンク先の内容が正しく要約されていることは別の話です。リンクはあくまで照合のための入口であって、確認そのものではありません。
ツールの制約
Bingがリンク付きで答えても、本文の要約がリンク先のページの内容を完全に正確に反映しているとは限りません。モデルは確率の高い言い回しを選んでいるのであって、ページの内容を一字一句検索しているわけではないからです。この仕組み自体はChatGPTの仕組みで詳しく説明しています。
どちらのサービスも、裏側で使われているモデルは更新が続いています。OpenAIの発表にあるように、新しいモデルが出るたびに性能の前提が変わるため、半年前に確認した制約が今もそのまま当てはまるとは限りません。モデル全体の進化のペースはStanford AI Indexが毎年まとめています。
職場でのこうしたツールの使われ方は、総務省の情報通信白書やIPAの調査が継続的に取り上げています。どちらのツールであっても、出力を正しい情報と照合して使う判断力こそが、OECDのAI指針が責任あるAI活用の一部として挙げている人による確認にあたります。そしてこの確認の力こそ、PwC AI Jobs Barometerが示す賃金プレミアムの土台になっています。
月曜日に試すこと
- 次に何かを調べるとき、「最近の出来事」か「一般的な知識」かを先に自分で判断します。
- 最近の出来事ならBing、一般的な説明や下書きならChatGPTを選びます。
- リンクが出た場合は、必ず一つは開いて本文の内容と照合します。
- リンクが出なかった場合は、同じ内容を扱う別の情報源を自分で探して照合します。
同じ「名前は似ているが別物」という混同は、WordやExcelに組み込まれたCopilotとChatGPTの間にもあり、ChatGPTとマイクロソフトがファイルを読めるかどうかを軸に整理しています。ChatGPTが自信ありげに間違える理由をもう少し詳しく知りたい場合は、ChatGPTの仕組みが同じ確認の考え方を別の角度から説明しています。文章以外にできることも知っておきたいなら、ChatGPTでできることが機能の一覧と確認のコツをまとめています。ChatGPT自体の検索機能をもっと深く使いこなしたい場合は、ChatGPTブラウジングが出典の確認手順を詳しくまとめています。一問一答では済まない、複数の情報源をまたぐ調べ物をしたい場合は、ディープAI(Deep Research)とはが仕事での使い方と確認ポイントをまとめています。そもそもAIをどの場面で使うべきか迷う場合は、AIの使い方が仕事で役立つ3つの場面を具体例でまとめています。調べた最新情報を社内向けのスライド資料に落とし込む段階は、資料作成AIが数字の照合手順をまとめています。
どちらのツールを使うか見極め、答えに出てきたリンクを実際に開いて照合する力は、Coursiumがスマートフォンの短いレッスンで練習しているところです。AIに先を越されないために、実際の作業に近い練習から始めてみてください。詳しくはCoursiumについてでも説明しています。