ChatGPTでできること:文章以外の4つの機能と確認のコツ
ChatGPTでできることは、質問に文章で答えることだけではありません。ファイルの読み込み、画像生成、音声会話、ウェブ検索を、確認のコツと合わせてまとめます。
「ChatGPTでできること」と検索する人の多くは、質問に文章で答えてもらう以外の使い道を探しています。ChatGPTには、文章のやり取りに加えて主に四つの機能があります。ファイルを読み込んで内容について質問する機能、画像を生成する機能、声で会話する音声モード、そして最新の情報をウェブ検索で調べて答えに反映する機能です。四つとも仕事に使えますが、それぞれ得意な場面と、確認せずに使うと危ない場面が違います。
四つの機能と、それぞれの向き不向き
- ファイルを読み込んで質問する:表計算ファイルやPDFの内容について、要約や集計を頼めます。ファイルの中身に忠実に答えさせるほど信頼でき、要約や解釈を混ぜるほど不確かになります。
- 画像を生成する:説明文からイラストや図を作れます。文字を正確に入れたい画像や、実在の人物・商品を正確に再現したい画像には向いていません。
- 音声モードで会話する:声で質問し、声で答えを聞けます。手が離せない場面での下調べには便利ですが、正確な数字や固有名詞を扱う場面では、あとで文字での確認が欠かせません。
- ウェブ検索を組み込んで答える:学習データの時点より後の出来事についても、検索結果をもとに答えられます。検索した情報源が古い、あるいは信頼性の低いページだった場合、その弱さがそのまま答えに引き継がれます。
見落とされがちな点があります。表計算ファイルを読み込ませても、ChatGPTが見ているのはセルに表示されている値であって、そのセルの裏にある計算式そのものではありません。複数のシートに分かれたファイルでは、どのシートのどの列を見て答えたのかを明示させないと、意図しないシートの数字を拾って計算してしまうことがあります。
確認を組み込む手順
- 頼みたい作業が、四つの機能のうちどれを使うものかを、依頼する前に自分で整理する。
- ファイルを渡す場合は、シート名・列名・対象期間を具体的に指定する。
- ウェブ検索を使わせた場合は、どの情報源を参照したかを尋ね、発表元と日付を確認する。
- 重要な数字や固有名詞は、返ってきた答えを元のファイルや情報源と一つずつ照合してから使う。
具体例:部署の経費データを集計する
複数のシートに分かれた部署の経費データのファイルを渡し、月ごとの合計を出したい場面を例にします。弱い頼み方は、ファイルを渡して「これ集計して」とだけ頼むことです。シートが複数ある場合、どのシートを対象にしたのか分からないまま集計され、意図しないシートの数字が混ざっていても気づきにくくなります。
うまくいく頼み方はこうなります。「このファイルの『4月度』シートを見てください。B列が日付、C列が金額です。C列の合計を、日付ごとに週単位でまとめて表にしてください。計算に使ったセルの範囲もあわせて教えてください。」対象のシートと列、集計の単位を具体的に指定することで、どのデータを使って計算したのかが明確になり、あとから照合しやすくなります。
返ってきた表のうち、金額が一番大きい週と一番小さい週の二つを選び、元のファイルを自分の目で数えて照合します。この二つが合っていれば、他の週も同じ手順で計算されている可能性が高いと判断できます。
ChatGPTがファイルを読み込めることと、そのファイルの構造を正しく理解していることは別です。この差を埋めるのが、シートと列を自分で指定するという一手間です。
なぜ機能が増えても確認が減らないのか
こうした機能の精度がどこまで伸びているかは、Stanford HAIのAI Indexが毎年、文章だけでなく画像やファイル処理を含めた形で測定しています。精度は年々上がっていますが、間違った答えを正しい答えと同じ自信度で示すという性質そのものは残ったままです。生成された結果を人が確認する責任は、OECDのAI原則でも明記されています。
顧客の氏名や連絡先が含まれるファイルをアップロードする場合、個人情報保護委員会は、その情報が利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう呼びかけています。ファイルの中身も、貼り付けた文章と同じくこの確認の対象です。
国内でのこうした機能の使われ方の広がりは、総務省の情報通信白書が毎年、国際比較を含めて公表しています。企業でのデジタル活用の実態についてはIPA(情報処理推進機構)が継続的に調査しており、機能の便利さの広がりと確認の必要性は別の軸で進んでいることが分かります。
月曜日に試すこと
- 手元にある表計算ファイルを一つ選び、シート名と列名を具体的に指定して集計を頼んでみる。
- 返ってきた結果のうち、数字が一番大きい行と小さい行を元のファイルと照合する。
- ウェブ検索を使わせた場合は、参照した情報源の発表元と日付を確認する。
- 個人情報を含むファイルを渡す前に、その内容が本当に必要な範囲かを一度立ち止まって確認する。
日本語での具体的な頼み方そのものはChatGPTの使い方(日本語)で、表計算ファイルの集計や数式を頼む場合の同じ確認の原則はChatGPT Excel活用法で詳しく扱っています。質問と回答以外の使い方、たとえば難しい会話の練習相手にする方法はChatGPT面白い使い方に、写真を渡して内容を読み取らせる場合の確認手順はChatGPTの画像認識にまとめています。どこまでAIに任せてよいかという境目全般はAIでできることと、できないことで整理しています。
出力を鵜呑みにしないという同じ原則は、AIの使い方でも詳しく扱っています。
どの機能を選び、どこを自分で確認するかは、実際に手を動かしながら身につく判断です。Coursiumは仕事でのAIの使い方を学べるiPhoneアプリで、App Storeで公開しています。詳しくはCoursiumのトップページをご覧ください。