ブログ · 2026年10月23日 · 7 分で読めます

デザインAI:仕事で使う下書きとフィードバックの頼み方

デザインAIには画像を生成する使い方のほかに、配色やレイアウトの判断を相談する使い方があります。具体的な頼み方と、AIに決めさせてはいけない点をまとめます。

言葉で説明する。複数案を比べる。ブランドは自分で判断。

「デザインAI」という言葉には、2つの違う使い方が混ざっています。1つは画像を1枚生成してもらう使い方、もう1つは配色やレイアウトの判断そのものを相談する使い方です。前者はすでに広く知られていますが、後者——判断の相談相手として使う方法——はあまり知られていません。

デザインAIが向いている場面

  • 今のスライドのレイアウトを言葉で説明し、どこが分かりにくいかを指摘してもらう。
  • 配色の候補を2〜3パターン言葉で提案してもらい、見やすさの観点で比較する。
  • 完成した資料を見せる前に、第三者目線で気になる点を先に洗い出してもらう。

どの場面でも、AIが最終的なファイルを作るわけではありません。判断の材料を増やすために使い、実際の調整は自分の手で行います。これは画像生成とは別の使い方で、ツールが苦手な細部の崩れという問題を最初から避けられるという利点もあります。

具体例:スライドのレイアウトを見直す

来週の社内発表に使うスライド1枚について、情報が多すぎると感じている場面を例にします。プロンプト:「このスライドの構成を説明します。上部に見出し、中央に3つの数値を横並びで、下部に結論の一文。情報量が多く感じられるのですが、優先順位をどう決めればいいか、3つの観点で指摘してください。」

返ってきた指摘の1つが「3つの数値のうち、結論と直接関係しないものは下の注釈に移すとよい」という内容でした。これは具体的で使える提案です。一方で、どの数値が本当に結論と無関係かは、その場の文脈をAIが把握しているわけではないため、提案をそのまま適用する前に自分で確認します。AIの役割は優先順位づけの視点を増やすことで、優先順位そのものを決めることではありません。

AIに決めさせてはいけないこと

OECDのAIガイドラインは、人による確認を省略可能な工程ではなく必須の工程として位置づけています。企業のロゴカラーや既存の資料テンプレートとの整合性は、AIが持っている知識ではなく、社内にしかない情報です。AIが提案した配色が偶然競合他社の企業カラーに近い、ということも起こり得ます。公開前には必ず自分の目で、既存の資料やブランドガイドラインと並べて確認します。ロゴそのものを新しく作る場合は、商標の確認手順まで含めてAIロゴ作成で扱っています。

見やすさについての指摘も、額面通りに受け取らない方がいい場合があります。文字と背景のコントラストが低いという指摘は多くの場合正しい一方、具体的にどの数値まで下げれば許容範囲かは、使う媒体や対象読者によって変わります。モデルの進歩がどの分野でどこまで進んでいるかはStanford HAIが毎年のAI Indexで測定していますが、見た目の良し悪しのような感覚的な判断は、事実の正確さとは別の軸で評価する必要があります。

画像そのものを生成する場面との違い

1枚の画像をそのまま仕事で使える形に仕上げたい場合は、判断の相談ではなく生成そのものが目的になります。その場合はスタイル・構図・色味・用途を具体的に伝える頼み方が必要で、AIイラスト生成で手順を扱っています。チラシのように文字と画像を組み合わせたテンプレート形式の場合は、日本語特有の文字崩れという別の確認点が加わり、チラシ作成をAIでで扱っています。

国内での広がり

企業のデジタル活用における生成AIの位置づけは、総務省の情報通信白書が毎年公表しています。IPA(情報処理推進機構)のDX動向調査でも、資料作成やデザイン業務の効率化は紹介される機会の多い使い方のひとつです。こうした判断支援としての使い方を含めたAIスキルの評価は、PwC AI Jobs Barometerが世界の求人データから、AIスキルを持つ人材への賃金上乗せとして報告しています。

月曜日に試すこと

  1. 今気になっている資料やスライドの構成を言葉で説明し、改善点を3つの観点で指摘してもらう。
  2. 指摘の中から、自分でも納得できるものだけを選んで適用する。
  3. 配色やレイアウトの提案が、既存のブランドやテンプレートと矛盾していないかを自分の目で確認する。
  4. 画像そのものを作りたい場合は、判断の相談とは別に、スタイル・構図・色味・用途を具体的に伝えて頼み直す。

「具体的に説明する」「提案を鵜呑みにしない」という進め方は、文章を扱う場合の原則と同じです。AIの使い方では文章の下書きを例に、AIチェッカーとはでは出力を鵜呑みにしない考え方を扱っています。長い文書を短くする場合に何が削られやすいかは要約AIにまとめています。

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