Gemini Omni 1.2 Flash 安全性:写真・顔・声の扱いを確認
Gemini Omni 1.2 Flash(2026年11月5日発表)の安全性を整理。参照に使う写真や声の扱い、無料枠と有料枠の違い、SynthIDの透かし、使う前の確認点をまとめます。
先に結論です。Gemini Omni 1.2 Flashの安全性は、モデルそのものより「どこから、何を渡して使うか」で決まります。Googleは2026年11月5日にこの動画生成モデルを発表しました。人物の写真や声を参照として渡せる分、テキストのAIより個人情報に近い道具です。
この記事は、2026年11月6日時点のGoogleの公開資料をもとにまとめたものです。私たちはモデルを実際に試していません。法的な助言でもありません。
Gemini Omni 1.2 Flashとは
Googleによると、新しいバージョンでは3秒から15秒までの動画を作れます。前の1.1では10秒が上限でした。作った動画は会話の中で直せます。背景や照明、縦横比を変えたいとき、最初から作り直さずに済みます。APIの料金は30%下がり、720pで1秒あたり0.07米ドルです。Google Cloudは11月6日、企業向けに一般提供を始めたと発表しています。
Googleが特に強調しているのは、参照素材への忠実さです。人物の写真、商品画像、3秒までの短い動き、音声の手がかりを組み合わせて渡すと、顔や服、パッケージの文字が最後まで崩れにくいとしています。商品動画には便利です。同時に、同僚の写真を一枚渡せば、それは個人情報を扱っていることになります。Gemini Omniのモデルページを見ても、主役は人や物を「そのまま保つ」力です。
動画生成AIを仕事で使うときの基本的な確認点は動画生成AI:仕事で使う動画を作る前に確認する3点にまとめています。ここではデータの話に絞ります。
使い方1:Geminiアプリ
Googleの発表では、Geminiアプリでの15秒動画はGoogle AI Ultraの契約者向けに順次提供とされています。日本でいつ使えるかは発表に書かれていません。アプリでのデータの扱いはGemini アプリのプライバシー ハブが基準になります。押さえておきたいのは次の3点です。
- 一部のデータは、委託先を含む人間のレビュアーが確認します。Googleは、レビュアーに見られたくない機密情報を入力しないよう求めています。
- レビュアーが確認したチャットは、アクティビティを削除しても最長3年保存されます。
- 「アクティビティを保存」をオフにしても、チャットは72時間アカウントに保存されます。その場合、フィードバックを送らなければ学習には使われません。
動画で重いのはもう一つの記述です。他人の顔や声をGeminiで使う前に本人の許可を得ること、権利を持つ素材だけをアップロードすることを、Googleははっきり求めています。顔が映った動画は個人情報になり得ますし、似せた声は本人を傷つけることがあります。
Geminiアプリそのものの始め方はGeminiアプリとはで説明しています。
使い方2:AI StudioとGemini API
ここは日本の利用者にとって大事な点です。Gemini APIの追加利用規約は、無料と有料で扱いを分けています。無料のAI Studioや無料枠では、入力と出力がGoogleの製品改善に使われ、人が読むこともあります。規約には、無料のサービスに機密情報や個人情報を入れないようにと書かれています。欧州経済領域、スイス、英国の利用者は無料でも有料と同じ扱いになりますが、日本はこの例外に入っていません。
有料のサービスでは、プロンプトや画像・動画のファイル、出力を製品改善に使わないとされています。処理はデータ処理に関する追加条項に沿って行われます。ただし生成AIの禁止されている使用に関するポリシーの違反を見つけるため、一定期間は記録されます。データはGoogleが拠点を持つどの国にも一時的に保存され得る、とも書かれています。
つまり、無料枠で社員の顔写真を参照に使うと、その写真が改善のために使われる前提になります。Google Cloudによると、音声の参照は許可されたアカウントだけが使える機能です。声の扱いは、自分のアカウントで本当に使えるのかから確認してください。無料枠の扱いはGemini 4 Argonの安全性でも同じ規約をもとに説明しています。
透かしで分かること、分からないこと
Googleによると、出力には目に見えないSynthIDの透かしが入ります。後からGoogleのツールで作った動画かどうかを確かめる手がかりになります。ただ、見ている人には透かしは見えません。本物の人物が言っていないことを言う動画なら、AIで作ったことを画面や説明文ではっきり示すほうが安全です。
国内のルールでは、個人情報保護委員会が2023年6月に、生成AIサービスへ個人情報を入力する際の注意喚起を出しています。会社で使う場合は、利用目的の範囲に入っているかを担当部署と確認してください。
最初の1本の前に確認すること
- アプリ、Google Vids、AI Studio、有料APIのどれを使うのかを決める。誰がデータを読めるかはそこで変わります。
- 仕事のデータは、有料のAPIか会社が確認した契約の範囲で扱う。無料枠には入れない。
- 実在する人の写真や声は、本人の同意を取ってから使う。
- 最初は商品写真や架空のキャラクターで試し、同僚の顔から始めない。
- Geminiアプリでは「アクティビティを保存」の設定を確認し、レビュアーに見られたくない情報を入れない。
- 実在の人物が登場する動画には、SynthIDとは別に、AIで作ったことを見える形で書く。
そもそも必要か
正直に言うと、資料に短い動画を一本入れる程度なら、もっと簡単な道具で足ります。Omni 1.2 Flashが向いているのは、同じ商品動画の違うバージョンをたくさん作るチームです。リアルタイムで顔が話す仕組みが必要ならGemini Live Avatarの日本での条件のほうが近く、個人情報の問題はさらに大きくなります。
モデルが良くなっても、動画が正しくなるわけではありません。Google自身、速いスポーツの動きや複雑な物理はまだ改善中だと書いています。字幕や商品の細部が途中で変わっても、誰かが最後まで見なければ気づきません。字幕や無音カットの頼み方は動画編集AIとはが参考になります。
Coursiumは、仕事でAIを使う方法を学ぶアプリです。はっきり指示を出し、結果を確かめてから使う。新しいモデルが出ても、それは自分の仕事として残ります。練習してみたい方はCoursiumを見るか、無料の練習例を試してください。
よくある質問
Gemini Omni 1.2 Flashとは何ですか?
Googleが2026年11月5日に発表した動画生成モデルです。最長15秒の動画を作り、会話で修正できます。APIでは720pで1秒あたり0.07米ドルとされています。
無料のAI Studioに入れた写真は学習に使われますか?
Gemini APIの規約では、無料のサービスの入力と出力はGoogleの製品改善に使われ、人が読むこともあります。欧州などの例外に日本は含まれていません。仕事のデータは有料の契約で扱ってください。
同僚の写真を参照に使ってもいいですか?
本人の同意が先です。Googleも、他人の顔や声を使う前に許可を得るよう求めています。
AIで作った動画だと分かりますか?
Googleによると目に見えないSynthIDの透かしが入ります。見ている人には分からないため、実在の人物が出る動画にはAI生成であることを見える形で示すのが安全です。