AI英会話:褒めるだけのAIを直す1つの指示
AIとの英会話練習は、間違いを指摘するよう指示しない限り褒めるだけで終わります。会話のあとに誤りを一覧で確認する、具体的な手順をまとめます。
AIに英語で話しかけると、文法が多少おかしくても「Great point!」のように返ってくることがよくあります。会話を途切れさせないための振る舞いですが、これを練習だと思って続けると、間違った言い方がそのまま身についてしまいます。AIは聞かれない限り、間違いを指摘する役目を自分からは引き受けません。
練習相手としてのAIが向いているのは、時間を気にせず何度でも話せること、そして具体的な場面を想定して繰り返せることです。向いていないのは、発音そのものの指導と、指示なしでの誤り指摘です。この2つを分けて考えると、練習の組み方がはっきりします。
会話を始める前に伝えておくこと
- 場面を先に決めます。「英語で話しましょう」ではなく「カフェでコーヒーを注文する場面で、店員役をしてください」のように具体的にします。
- 間違いの指摘を明示的に頼みます。「私の発言に文法や言葉選びの間違いがあれば、小さなものも含めて、会話の途中では指摘せず返事だけ続け、最後にまとめて教えてください」のように伝えます。
- 指摘してほしいレベルも伝えます。細かいニュアンスの違いまで知りたいのか、大きな文法の誤りだけで十分なのかによって、返ってくる量が変わります。
会話のあとに確認する手順
- 決めた場面で5往復ほど会話を続けます。途中で指摘を求めず、最後まで会話として続けます。
- 会話が終わったら「私が言った文のうち、間違いや不自然な言い方を一覧にして、正しい言い方と理由を教えてください」と頼みます。
- 一覧に出てきた指摘のうち、知らなかった言い方や文法について、自分でも辞書や文法書で確認します。AIの説明をそのまま覚える前の一手間です。
- 次の会話で、指摘された言い方を意識して使い直します。
具体例で見る手順
「カフェでコーヒーを注文する場面で、店員役をしてください。私の発言の間違いは会話の途中では指摘せず、最後にまとめて教えてください」と伝えて会話を始めます。自分が「I want a coffee, please」と言い、会話を5往復続けたあとに指摘を頼みます。
返ってくる指摘の例として、「I want a coffee」は文法としては誤りではないものの、「I'd like a coffee」の方が注文の場面では自然で丁寧、という説明が挙げられます。この種の説明は、文法の正誤ではなくニュアンスの違いなので、自分でも英英辞典の例文と見比べて、説明が実際の使われ方と合っているかを確認する価値があります。
褒め言葉は会話を止めないための振る舞いです。指摘を頼まない限り、間違いは会話の中に残ったまま次に進みます。
どこまでが限界か
発音そのものの指導は、文字での会話では確認できません。音声モードを使う場合でも、発音記号や口の動きまで具体的に直す指導は、人の講師と比べて精度が劣ります。もっともらしく聞こえる説明と実際に正しい説明の差を、Stanford AI Index は複数年にわたって追跡しており、語学の細かいニュアンスでも同様の差が残ります。OECD は、AIの出力を人が確認する工程を、責任ある活用の省略できない一部だとしています。
こうした確認の手間を惜しまない人の賃金プレミアムが上昇していることは、PwC AI Jobs Barometer が報告しています。社会全体でAIを使った学習がどれだけ広がっているかは、総務省の情報通信白書 で確認できます。会話の内容に個人情報や社外の情報を含めないことも、個人情報保護委員会 が呼びかけている注意点の一つです。
月曜日に試すこと
- 練習したい具体的な場面を一つ決めます。
- 会話の最初に、間違いの指摘を最後にまとめて教えるよう頼みます。
- 5往復ほど会話を続けたあと、指摘を一覧でもらいます。
- 知らなかった指摘を一つ選び、辞書や文法書で自分でも確認します。
英語に限らず、AIに何かを頼んで返ってきた答えを自分で確認するという同じ考え方は、AI基礎 が最初の一歩としてまとめています。ChatGPTへの指示の出し方で迷う場合は、ChatGPT質問の仕方 が場面別の例を扱っています。会話ではなく画像の中の英文を確認したい場合は、画像を翻訳する が同じ照合の手順を扱っています。練習を講座という形で続けたい場合は、AI講座 が申し込み前に確認すべき点を扱っています。
場面を決めて会話し、あとから指摘を確認するこの練習方法は、Coursiumがスマートフォンの短いレッスンで扱っている考え方と同じです。AIの一歩先へ、実際の場面に近い練習から始めてみてください。詳しくは Coursiumについて をご覧ください。